本学のふたつの取り組みが、文部科学省平成20年度「質の高い大学教育推進プログラム(教育GP)」に採択されました。教育GPは、「大学設置基準等の改正等への積極的な対応を前提に,各大学・短期大学・高等専門学校から申請された、教育の質の向上につながる教育取組の中から特に優れたものを選定し、広く社会に情報提供するとともに、重点的な財政支援を行うことにより、我が国全体としての高等教育の質保証、国際競争力の強化に資することを目的」(文部科学省HPより)としており、初年度となる平成20年度は、939件にのぼる申請の中から148件が選定され、本学からは2件が採択されました。
本学は「芸術的創造と哲学的思索によって良心を手腕に運用する新しい人間観、世界観の創造」(『学園設立の趣旨』より)という高い理想を掲げて設立されました。この建学の理念から導かれる教育目標を明確化するため、平成16年10月に「新五カ年計画」を策定発表し、以降5年間に「学生に支持され続ける大学をめざす」ことを学内外に宣言し、教育の目的を「芸術を社会に活かすことのできる人材の育成」に集約して改革に臨んでいます。
芸術教育は、ともすれば自己表現の達成に重点が置かれがちですが、卒業後に社会で通用する人材として活動をしていくためには、専門的な能力以上に、社会人として求められる基礎力、人間力を身につける必要があります。そのため、学部で身につけるべき力を本学独自に定義し、1)芸術によって社会に貢献しようとする高い志と意欲をもち、2)自立した一人の人間として、3)他者と協調・協働しながら、4)芸術的創造活動を展開できる力を養うことをめざし、学生への徹底をはかっています。また、それらの力を総合して表現活動を行なうことができることを学位認定の方針とし、年次最終の卒業研究・卒業制作の成績評価にあたってはプレゼンテーションを課すことによって、求められる力が身に付いているかどうかの確認に努めています。
大学の理念
http://www.kyoto-art.ac.jp/info/about/idea.html
前述の力を学生が年次を追って着実に身に付けることができるよう下図のように教育課程の構造化を図っています。